スポーツも学業もあきらめたくない。そう考えていた私にとって、立命館への進学は最良の選択だったように思います。オリンピック出場となると盛大な壮行会で送り出していただきましたし、試合や遠征などで試験の予定が合わない時には、追試を受けられるように配慮していただいたこともあります。競技を続けながら大学で学ぶ方法を一緒に模索してくださる先生や職員のみなさまに支えられ、がんばらなくてはという気持ちを一層強く持つことができました。
やはりシンクロに比重を置いた4年間でしたが、大学ではスポーツ表現コースに所属して身体表現論や近代スポーツ論を学びました。スポーツの歴史や背景を知ることは、自身の取り組みを競技者とは異なる視点で捉え返すことのできる貴重な経験で、今でも人前でお話しする機会があれば、学生時代に受けた講義の内容を思い出しながら言葉を発することがあります。それに、1回生の基礎演習のクラスで生涯の親友と呼べる相手と出会えたことは、学生生活で得た何よりの収穫でした。シンクロ関係だけではなく、自分とはまったく異なる経験を持つ人との関わりを通じて、多様な価値観に触れ、広く社会を学んだように思います。
早いもので、新卒校友として校友会に迎えていただいてから、もう20年が経ちました。校友会には在学中に続き、卒業後もたくさんのご支援をいただいてきました。特に2004年の校友大会はアテネオリンピックの直後でしたので、メダルの報告をすると、みなさん自分ごとのように喜んでくださったことを覚えています。現役を引退してからも、三重県校友会をはじめ各地の校友会の催しにお声がけいただくたびに、校友同士のつながりの温かさを実感しています。
この間の母校の変化は目覚しいものがありますね。大阪いばらきキャンパスが開設した時も驚きましたが、私が拠点にしていた衣笠キャンパスや、トレーニングで訪れていたびわこ・くさつキャンパスも当時から大きく様変わりしています。学生同士が互いに学び合える環境がどんどん整備されていって、これから巣立っていく後輩の活躍が楽しみです。
学生時代のように近い距離ではないものの、いつもどこかで気になる母校の存在。お祝い事があれば駆けつけ、成長した姿を見ては喜ぶ親戚のような関係ですね。離れていても切れることのない縁でつながる立命館ファミリーの一員として、これからも母校の挑戦をみなさんと一緒に応援していきたいです。