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西村幸雄先生は人生の恩師でした

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森 千司穂さん
1961年卒/法学部
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2018.8.31
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西村幸雄先生は人生の恩師でした

学生時代(1957年)の日記を見つけました。以下は6月20日~21日の文章です。

学内奨学生のハイキング&キャンプに参加した。「雲が畑」を経て貴船口。学生課からは、西村課長と久保氏のお二人で学生は9名。梅雨期のことだから、天気を心配したが、途中では降られなかった。ただ出発の際は、降り始めたり、明るくなったり、ちょっと判断がつかなかった。 だから決行したわけだ。
バスを降りてから1時間40分、木間道を通って何回か沢を渡って、テントを張れる広さの台地を見つけた。草の繁った案外傾斜の急な、だが低い山が周りを幾重にも巡らしている。山間の小道をぐるっとひとまわりすると600のピークが二つ見える。曇り空の中に、さっき星が一つだけ大きく光っていた。すると、また一つ。しかし間もなく消えてしまった。緑色のテントを二つ張って、その側にグラスシートを広げて夕食にした。スキ焼き鍋を囲んだ。灯りはキャンドルが三つ揺れていた。そのローソクが燃えつきてしまう10 時過ぎまで話がはずんだ。西村先生の学生時代、それも戦場での思い出話が中心だった。時折話が途切れて、しのびよるような沈黙が訪れる。その瞬間周りの闇に眼をやる。
「君たちの時代は、 やはり恵まれているよ。いくら暗いといってもそれでも未来はあるし、暗い谷間に青春を奪われた十数年に比べれば息苦しさの度合いが違う」。戦場での人間否定。(しかし人間肯定の思想は今の西村先生の血肉となっている)。右翼でも左翼でも、民衆をほんとうに幸福にできるものがほんとうのものなのだ。人間を前提にしたものが全てだ。もう、ロウソクは残り少ない。時々蛍が誘われたようにスーッと近づいてくる。かくしてテントに入った。途中一回だけ眼が覚めて後は朝まで眠り続けた(12時から5時)。朝は早かった。胸まで伸びた草をかきわけながら15分ほど歩いた。ここを抜ければ直ぐに何処かに出られると思ったが、道は次第に細くなり、急な坂道となり、高い山が立ち塞がった。それで来た道を戻った。
服が朝露でぐしょぬれだ。……出町柳には1時近くに着いて出町南寮に直行。風呂に入ったら疲れがどっと出た。

西村先生は、百万遍寮の舎監もなさっていました。出町南寮の新入寮生歓迎会や秋の寮祭にも参加くださって一緒に祝杯を重ねたのでした。 この文章を記述しながら、青春時代の思い出が蘇りました。
その数年後には、わたくしの結婚式に「頼まれ仲人」としてご夫妻が参列してくださいました。ほんとうにお世話になりました。

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